『企業の雇用能力』向上支援について
「あの企業で働いてみたい」・「この企業で働き続けたい」という企業の魅力度のことをいいます。以下、『企業の雇用能力』と表記します。
もともと、employment(雇用)とability(能力)を組み合わせた言葉です。
かつては、成果主義を効果的に運用するにあたり、「健全なる流動性」を確保するため、また優秀・コア人材が中長期的に自社を魅力的に感じ続け、働き続けてもらうために、エンプロイメンタビリティを論じることが多かったようです。
最近は特定の優秀・コア人材のために「企業の雇用能力」を向上させるという視点だけでなく、構造的な人手不足の中、その企業内で働く従業員全員(パート・アルバイト・高齢者・女性・外国人等)に対して、それぞれに実情に合わせた働きやすさ・魅力度を高めていくことに注力する必要が出てきております。
労働市場の変化(2022年度中小企業白書から3つのグラフ)
上記図表から見ても明らかなように、現在中心となっている従業員の年齢層は今後、更に減少していきます。
仮に従業員が退職すると、希望するレベルの従業員の採用は困難になることが予想され、これまで以上に「従業員の定着」に対して、注力していく必要があるのはないでしょうか。
魅力的な雇用環境実現のために
まずは自社の『雇用能力』がどういったレベルなのか、現状把握することが重要です。
強みは更に伸ばし、弱みは改善していくことによって、従業員から魅力のある・働きやすい企業と評価を受けることにつながっていきます。
当事務所では8つの領域に分けて、企業が現在必要としている領域をヒアリングに基づき、優先順位も考慮して、提案します。最終的にこれらの施策により、チームワーク・生産性向上が図られ、従業員が自らの雇用環境に対して、魅力に感じ、『企業の雇用能力』が向上した状態になることを目的としています。
<8つの領域>
1.エンゲージメント向上支援
コロナ禍以降、従業員のエンゲージメントが更に注目されています。一般的には企業理念等の浸透支援、魅力的な職場環境支援、仕事の機会の提供(やりがいの創出)支援、魅力的な報酬制度(人事評価制度)支援、従業員のキャリア開発(成長支援)支援等が挙げられますが、当事務所では人事賃金評価は独立して、一領域としています。
2.人事賃金評価支援
コロナ禍以降、働き方そのものの概念である『ジョブ型』『メンバーシップ型』雇用の議論が活発に行われており、これにより人事評価の実施方法、賃金体系見直しへの方向性も影響が生じています。『メンバーシップ型』にも優れた点が多く、企業の雇用能力向上という視点も考慮して提案・制度設計を行います。
3.多様な働き方支援
制約があるため、思うように働くことができなかった層に対して、いかに働く環境を整えていくかという視点で『多様な働き方』が注目されています。具体的には、①多様な正社員②テレワーク③副業兼業④ ①~③を土台にした両立支援制度などが考えられますが、これらの諸制度は単独で運用してもうまくいかないケースもあり、制度間連携を意識した制度設計が必要です。
4.人的資本の投資、リカレント教育支援
従来、「人的資源」と言われることが多かったように、鉱山資源のように、使えば使うだけ減ると考えられていました。その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」への注目が高まっています。今後、人的資本情報開示の重要性が増してくると予想され、「企業の雇用能力向上」という視点も考慮しながら、取り組みできるよう支援します。
5.労働・社会保険法令改正対応支援
この数年間は、多岐にわたる分野で労働・社会保険法令の改正が施行されてきました。これまで一部の事業主は、「自分たちの企業規模では」「自分たちの業界では」という後向きな考えを発信してしまうことがありましたが、今後は自社従業員だけでなく、これから入社してくる採用予定者にも、マイナスの影響を与えかねません。現状、何を優先して取り組むべきか、「企業の雇用能力向上」という視点から支援いたします。
6.業務フロー改善支援
コロナ禍ではテレワークの実施過程で、業務の可視化があらためて注目されました。いったん低下した生産性を向上させるため、従業員がストレスなく勤務できる環境を構築するにあたり、業務の進め方、ペーパーレス化、コミニュケーションツールの活用等で主に人事労務分野の業務フローを改善する支援です。
7.就業規則・社内規程作成支援
就業規則をはじめとした社内規程は、法令に基づき作成するものと、企業が任意で作成するものがあります。世の中には、各規程の雛型があふれておりますが、意外と自社に合致しない状態で作成・運用しているケースも少なくありません。当事務所は企業の実情に即した作成支援を行います。なお就業規則についての詳細は、当事務所社会保険労務士業務向けウェブサイトhttps://www.emm-hr.comにご覧ください。
8.もしもの時の安全網支援
日頃、従業員がやる気に満ちあふれていても、ケガ・介護・病気の入院治療、メンタルヘルス等になる可能性は誰にでもあります。一時期、継続勤務することに支障が生じた場合、これまではやむをえず退職する選択される方がいました。短期的には、周りに負担がかかることもありますが、そういった山を乗り越えて、継続して勤務できるよう社内に仕組みを構築していくことが「もしもの時の安全網支援」です。